EBPM

事例編#01|2026年版英国EBPM——証拠から逃げられない政策評価システム

このエピソードの概要

EBPMとは、複雑な社会問題に自動で正解を出す「魔法の杖」なのでしょうか。事例編第1回は、2026年に相次いで改訂された英国のグリーンブック(2月)・マゼンタブック(5月)・Evaluation Task Force新戦略(6月19日)を読み解き、世界最先端とされる英国EBPMの実像に迫ります。

英国が構築したのは、エビデンスが政策を決めるシステムではなく、政治家や官僚が「判断の根拠」から逃げられなくなる制度の連鎖です。ROAMEFという政策循環、事前評価のグリーンブックとファイブケースモデル、大臣の強行突破すら公文書として記録に残す「会計責任者」と「大臣指示」の仕組み、後出しジャンケンを封じる分析計画の事前登録まで、人間の心理を逆手に取った制度設計を解説します。

一方で、その英国にも深刻な現実があります。政府主要プロジェクト227件・総額8340億ポンドのうち、良質な評価計画を持っていたのはわずか34%。「評価をしないことへの不利益が弱く、失敗を公表した者だけが罰せられる」というインセンティブの歪みが、評価を儀式化させていました。

学習し続けるAIをどう評価するかという新しい壁、隣町から客を奪っただけの「置き換え」問題、そして日本の組織が学ぶべき3つの制度設計まで。完璧なシステムの中で、人間の決断の価値はどこに残るのかを問いかけます。

文字起こし

出演:EBPM新聞記者・ヴェレ、EBPM新聞記者・シン

EBPMは「魔法の杖」ではない

ヴェレ 今日は、魔法の杖の話から始めましょう。ひと振りするだけで、複雑な社会問題に対して、一番無駄がなく完璧に効果的な答えを出してくれる杖です。これさえあれば、教育格差も犯罪率の増加も一発で解決できる。

シン 政策に関わる人間なら、誰もが喉から手が出るほど欲しいアイテムですね。

ヴェレ ところが、EBPM——「証拠に基づく政策立案」という言葉を聞くと、多くの人がまさにこの魔法の杖を想像してしまうのです。優秀なデータサイエンティストや完璧なエビデンスが、政治家の泥臭い判断に代わって、自動的に正しい政策を弾き出してくれる無機質なシステムだと。

シン でも、現実はまったく違います。

ヴェレ 今回の深掘りでは、まさにそこを取り上げます。題材は、2026年6月19日に英国で発表されたばかりのETF新戦略を含む、『英国EBPM 2026年版 詳細レポート』です。

シン この最新レポートを読み解くと、彼らが作ろうとしているものが魔法の杖などではないことが、生々しく伝わってきます。英国が構築したのは、エビデンスを王座に据えるシステムではなく、政治家や官僚がエビデンスから絶対に逃げられなくなる、強固な「制度の連鎖」なのです。

ヴェレ 今日は、この膨大で少しお堅いレポートを紐解きながら、人間の心理を逆手に取った英国の仕組みの面白さに迫っていきます。

ROAMEF——政策循環に仕掛けられた「関所」

シン まず、英国の政策循環は「ROAMEF(ロアメフ)」というサイクルで動いています。Rationale(根拠)、Objectives(目的)、Appraisal(事前評価)、Monitoring(監視)、Evaluation(事後評価)、そしてFeedback(フィードバック)の頭文字です。

ヴェレ きれいなサイクルですね。

シン ええ。ただ重要なのは、これが単なるお題目の理念ではなく、それぞれの段階にものすごく厳しい「関所」が設けられていることです。

ヴェレ 政策の目的自体は、選挙で選ばれた政治家が決めるわけですよね。でも、いざ実行しようとすると、次々とゲートキーパーが立ちふさがると。

シン そういうことです。例えば、ある大臣が「ここに巨大な病院を建てよう」とぶち上げたとします。するとまず、事前評価の指針である「グリーンブック」というルールブックに基づいて、「本当に病院を建てるのがベストなのか、他の選択肢はないのか」を比較検討するよう求められます。

ヴェレ いきなり「建てる前提」では進めないわけですね。

シン さらに、「ファイブケースモデル」という事業計画の厳しい審査があり、戦略的・経済的・商業的・財務的・マネジメント的に実行可能であることを証明しなければなりません。そして、その先の一番の関所となるのが、予算の絶対的な握り手である「財務省」と、「エバリュエーション・タスクフォース」——略してETFと呼ばれる評価タスクフォースの存在です。

ヴェレ そこを通過しないとお金が出ない。そして無事に通過して実行された後も、今度は「マゼンタブック」という事後評価のルールが待っていて、その結果はすべてレジストリに公開される。まさに逃げ場のないサイクルです。

会計責任者と大臣指示——権力の強行突破を「公文書」にする

ヴェレ ただ、少し意地悪な見方をすると、これだけ関所があっても、大臣が「俺が責任を取るからやれ」と権力で強引に押し切ろうとする場面も出てくるのではないですか。

シン そこが英国の制度の本当に面白いところです。そういうときのために、「アカウンティング・オフィサー(会計責任者)」という制度が機能します。各省庁では通常、事務次官クラスがこの役職に就いていますが、彼らは大臣に対してではなく、議会に直接、予算の適正な使用を保証する個人的な責任を負っているのです。

ヴェレ 大臣ではなく、議会に直接ですか。

シン そうです。だからもし大臣が、事前評価の基準を満たさない費用対効果の薄い政策を強行しようとした場合、会計責任者は明確に反対意見を述べなければなりません。それでも大臣が引き下がらない場合、会計責任者は「ミニステリアル・ディレクション」——「大臣指示」という公式な書面を要求します。

ヴェレ 大臣指示の書面?

シン これは事実上、「私は専門家としてこの支出に反対しましたが、大臣の政治的判断で強行されました」という証明書です。そしてこの書面は、ただちに議会や会計検査院に送られ、原則として一般に公開されます。

ヴェレ なるほど。後から「なぜこんな無駄遣いをしたのか」と追及されたときのための、官僚側の強力な免責事項であり、政治家にとっては非常に重い「公的な領収書」になるわけですね。これは例えるなら、会社の経費精算システムと同じ構造です。社長が会社の経費で10万円の超高級ボールペンを買うこと自体は、ルール上禁止されていない。でも、「なぜ100円のペンではダメなのか、10万円のペンがどう会社の利益につながるのか」を詳細なレポートに書かなければならない。そして経理が反対した場合には、「社長の独断で買いました」という書類が全社員の掲示板に貼り出される、と。

シン 分かりやすい例えですね。まさにその「貼り出されるプレッシャー」が抑止力になるのです。政治の判断を完全に封じ込めるのではなく、判断の根拠を可視化し、将来の検証に耐えうる形で記録させる。これこそが、制度の連鎖の中心にある財務省の支出統制の真髄です。

グリーンブック改訂——「BCR一本勝負」からの脱却

ヴェレ 実によくできています。ただ、その根拠の作り方自体も、今年に入って大きくルール変更されたそうですね。今年2月に事前評価のグリーンブックが改定されて、「BCRの呪縛」から脱却したとあります。

シン BCR、すなわち「ベネフィット・コスト・レシオ(費用便益比)」です。投じた予算に対して、金銭換算でどれだけの見返りがあるかを示す単一の数字ですね。これまではどうしても、「BCRの数字が一番大きい政策が勝つ」という単純な運用に陥りがちでした。2026年版では、この数字一本勝負から意図的に距離を置いています。

ヴェレ それは逆に危険ではないですか。BCRのような固い数字を捨てるということは、政治家が「この政策には数字に表れない社会的価値があるんだ」と適当な理由をつけて、やりたい政策を正当化するフリーパスを与えることになりませんか。

シン その懸念は極めて真っ当です。実際、BCRへの依存を下げて、気候変動への対応や地域間の格差是正、健康増進といった「社会的価値」を評価に組み込むと、どうしても恣意的な解釈が入り込む隙が生まれます。

TAIGER——「後出しジャンケン」を封じる事前登録

シン だからこそ英国は、そのリスクを防ぐために、「TAIGER(タイガー)」と呼ばれる枠組みなどを通じて、評価の透明性を担保する強固な「ロック機能」を用意しています。例えば、政策を実施してデータを集めた後で、「当初の目的は達成できなかったけれど、雇用は増えたから成功だ」と都合よく解釈を変える「後出しジャンケン」を禁じているのです。評価が始まる前に、「どの指標がどう変化したら成功とみなすか」という分析計画を事前登録させる仕組みです。

ヴェレ つまり、矢を射った後から、刺さった場所に的を描くような真似は絶対に許さないと。事前に社会的価値の中身と測定方法を宣言させておくことで、都合のいい言い訳を封じ込めるのですね。

マゼンタブックと「解像度の高い評価」——NELIとボディカメラ

シン その通りです。そして、事後評価のルールブックである「マゼンタブック」も今年5月に改定されました。ここでは、単に「政策が効いたか効かなかったか」という二元論ではなく、「解像度の高さ」——つまり「誰に、どの条件で、なぜ、どの費用で効いたか」まで細かく分析することが求められています。良い例が、「NELI(ネリ)」という幼児期の言語発達支援プログラムです。

ヴェレ NELI?

シン はい。これは「ホワット・ワークス・ネットワーク」という知識仲介機関がエビデンスを統合して評価したことから始まりました。効果が確認されたことで徐々に全国展開され、最終的に約65万人の子どもに提供されたのです。そして2029年までの継続投資も決まった、大成功の事例です。

ヴェレ 65万人。小規模で因果関係を厳密にテストし、その結果が証明書となって、次のステップの巨大な予算のロックを解除していく。まさに「ゲート付きの資金提供」ですね。

シン ええ。一方で、解像度を高くしたことで、別の厳しい現実が浮き彫りになった例もあります。警察官への「ボディカメラ導入」の実験です。英国で警察官2000人規模のランダム化比較試験を行った結果、市民からの苦情は確実に減少しました。

ヴェレ それは大成功では?

シン ところが、職務質問や捜索といった、警察官自身の「行動改善」にはまったくつながらなかったことが判明したのです。カメラを意識して市民とのトラブルは減ったかもしれませんが、根本的な警察官の対応スキルが上がったわけではなかった。

ヴェレ つまりボディカメラは、「効果があるか」というざっくりした問いに対しては、「イエスでもありノーでもある」ということですね。

シン まさにその通りです。苦情を減らすという特定の目的には非常に有効なツールですが、警察官の行動そのものを根本から変えたいなら、カメラだけでなく別のトレーニングや組織改革が必要になる、ということが分かったのです。だからこそ英国では、政策全体を横並びで「A評価・B評価」のように格付けする単一のシステムを採用していません。教育分野なら「南京錠の数」でエビデンスの強さを示し、警察分野なら「EMMIE(エミー)」という枠組みで、効果の大きさだけでなくメカニズムや導入条件まで細かく評価します。分野ごとに、求められる専門知識も結果の測り方もまったく異なるからです。

衝撃の34%——「使われない評価」という第二の壁

ヴェレ ここまで聞くと、英国のEBPMは本当に緻密で、隙のない完璧なシステムに見えます。しかし、6月19日に発表されたエバリュエーション・タスクフォースの新戦略を読むと、実は足元でとんでもない問題が起きていることが明らかになっていますね。

シン はい。2026年、最大の転換点がまさにそこです。これまで英国は各省庁に対して、「とにかく評価計画を作りなさい」と、評価の「供給量」を増やすことに注力してきました。しかし今回の新戦略では、その評価結果を実際の予算の「継続・修正・終了」という意思決定に「使わせる」段階へ、強制的にシフトしようとしているのです。

ヴェレ 裏を返せば、せっかく作った評価が、実際の決断にはあまり使われていなかったということですか。

シン 実態はさらに深刻です。会計検査院——いわゆるNAOの報告によれば、2023〜24年度の政府主要プロジェクト227件、総額8340億ポンドという膨大な予算のうち、良質な評価計画を持っていたのは、わずか34%に過ぎませんでした。

ヴェレ 34%?あれほど何重にも関所を設けて、会計責任者が目を光らせ、事前登録までさせているのに、3割ちょっとしかルールを守っていないのですか。残りの6割以上のプロジェクトは、どうやってその厳重な関所をすり抜けたのでしょう。

インセンティブの歪み——なぜ合理的な組織ほど評価を避けるのか

シン その答えは、人間の組織が持つ根源的なインセンティブの歪みにあります。会計検査院が指摘した最大の弱点は、「評価を行わないことへの不利益が弱すぎる」という点でした。現場の官僚が「時間がありません」「データの収集が困難でした」と理由をつけて評価を先送りしても、現時点では彼らのキャリアに大きな傷はつきません。

ヴェレ サボっても怒られない。やらない言い訳はいくらでもできると。

シン 逆に、真面目にリソースを割いて厳密な評価を行い、その結果「私たちが進めてきたこの巨大プロジェクトは、まったく効果がありませんでした」という事実を公表したらどうなるか。

ヴェレ その部署や責任者が、メディアや議会から「税金の無駄遣いだ」と猛烈なバッシングを浴びることになりますね。でも、それはおかしい。本来なら、効果がないことを早期に発見できたのは、それ以上の無駄な税金の垂れ流しを防いだ大ファインプレーのはずです。失敗を隠す人より、厳密に評価して「これはダメでした」と早期撤退した人こそを称賛するインセンティブがないと、合理的な人間ほど評価を避けるようになります。誰も波風を立てたくないから、評価自体がただの儀式になってしまう。

シン さらに言うと、評価を担う「ホワット・ワークス・センターズ」の側にも、「独立性のジレンマ」があります。彼らは客観的な第三者機関として振る舞うことが期待されていますが、実際にはその資金の85%超が、政府などの公的機関から出ているのです。

ヴェレ 最大のスポンサーである政府に対して、耳の痛い政策の失敗をどこまで堂々と突きつけられるのか、という構造的な問題があるわけですね。

シン ええ。エビデンスに基づく政策立案とは、結局のところデータサイエンスの美しい話ではなく、人間臭い組織文化や保身との泥臭い戦いなのです。

ヴェレ いくらシステムを完璧にしても、それを動かす人間の心理までハックしないと機能しないのですね。

AI評価という新しい壁——学習し続けるアルゴリズムをどう測るか

シン そして、人間が評価を避けたがるという組織文化の壁がある一方で、今度は「評価の対象そのものがどんどん姿を変えていく」という、まったく新しい次元の壁も現れています。2026年版のマゼンタブックが、「AIのアルゴリズム評価」に独立した章を割いているのはそのためです。

ヴェレ 確かにAIの評価となると、これまでの「事前に計画を立てて事後に検証する」という静的なアプローチでは通用しなくなりそうです。

シン ええ。AIモデルは一度導入したら終わりではありません。現場のデータを取り込んで常に学習し、出力結果を変化させていきます。そのためマゼンタブックでは、モデルが更新されるたびの「再評価」と「継続的なモニタリング」を必須としています。さらに重要なのは、「どれほどAIが高度になっても、最終的な意思決定の責任をAIへ移譲することは認めない」と明記している点です。

ヴェレ AIの評価は、例えるなら、レシピと分量がきっちり決まっている工場生産の料理のカロリー計算ではないのですね。お客さんの表情やその日の気温を見ながら、勝手に味付けを変え続ける予測不可能なシェフを評価するようなもの。一度試食して「このシェフの料理は美味しい」という証明書を発行しても意味がない。彼が厨房にいる限り、常に横に立って味見をし続けなければならない。

シン まさにその通りです。常に監視し続ける必要があります。

地域主導の評価と「置き換え」の問題

シン 予測不可能な変化への対応という意味では、「プレイス・ベースド・エバリュエーション」——「地域主導の評価」も、非常に複雑な課題として挙げられています。これまでは「ある特定の施策が効いたか」を個別に見てきましたが、現実の社会では、一つの地域に複数のプロジェクトが同時に投下されます。それらが地域全体としてどう作用したかを評価しようという試みです。

ヴェレ 木を見るのではなく、森を見る感じですね。

シン ええ。ただ、ここで気をつけなければならないのが、「ディスプレイスメント(置き換え)」の問題です。ある街が巨額の補助金を入れて魅力的なショッピングモールを作り、街の売り上げが大幅に上がったとします。単一のプロジェクトとしては大成功です。しかしその売り上げ増が、単に「隣の街から買い物客を奪っただけ」であった場合、国や地域全体の経済として見れば、新たな価値は一円も生み出されていません。プラスマイナスゼロです。

ヴェレ それは全国の自治体にとって、ものすごく耳の痛い話です。「うちの市のイベントはこんなに集客して大成功でした」と報告書に書いていても、マクロな視点で厳密に評価したら、実は隣の市からパイを奪い取っただけだった、と。

シン よくある話です。でも、この不都合な真実をごまかさずに直視しようとしているのが、今の英国のフェーズなのです。現実の複雑さから目を背けず、それでも何とか評価の網をかけようと格闘している。「テスト・アンド・ラーン(試して学ぶ)」という、小さく始めて修正を繰り返すアジャイルな手法も導入されていますが、これも「なんとなく改善しました」で終わらせず、厳密なインパクト評価の代用品にはならないと釘を刺しています。

日本への教訓——組織に取り入れるべき3つの制度設計

ヴェレ ここまで、英国が直面している生々しい現実と最新の戦略を見てきました。この考え方を自分の組織や会社に取り入れるとしたら、どんな教訓が引き出せるでしょうか。

シン 今回のソース資料から、日本が学ぶべき制度設計のエッセンスを抽出すると、重要なアクションは3つに絞られます。第1に、評価計画を後回しにするのではなく、事業承認や予算獲得の必須条件——つまり「ゲートウェイ」として組み込むこと。第2に、都合の良いデータだけを後出しさせないよう、TAIGERの枠組みのように分析計画を事前に登録させること。第3に、評価レポートを何本提出したかという「供給量」ではなく、その評価結果によってどれだけ実際の予算配分が見直されたか、あるいは中止の決定がなされたかという「意思決定への活用」を指標にすることです。

ヴェレ お金をもらう前の関所にする、的は先に描いておく、そして評価のための評価ではなく、ちゃんと行動を変えたかを測る、ですね。

シン ええ。これらに通底しているのは、英国は「エビデンスを絶対的な王様にしたわけではない」ということです。予算を決めるとき、設計するとき、実施するとき、そのすべての段階に「あなたのその判断の根拠は何ですか」と問い質すシステムを埋め込んだこと。これこそが彼らの強みなのです。

最後の問い——完璧なシステムの中で、人間の決断の価値はどこに残るのか

ヴェレ 最後に、少し刺激的な問いを投げかけたいと思います。もし、英国が目指しているシステムが究極の進化を遂げて、完璧に機能する社会になったと想像してみてください。あらゆる政策が精緻なAIによって厳密にテストされ、社会的価値も正確に測定され、少しでも失敗の兆候を見せた事業は、人間の保身や見栄が介在する隙もなく、透明性を持って即座に打ち切られる。そんな無駄の一切ない社会です。

シン EBPMの理想郷であり、同時に少し恐ろしさも感じる世界ですね。

ヴェレ ええ。その完璧なシステムが完成したとき、政治家や私たちのリーダーに求められる役割は、一体何になるのでしょうか。もはや情熱やビジョンで人々を引っ張る人ではなく、単に一番エラーを起こさない優秀なシステム管理者を選ぶだけの選挙になるのか。それとも、データや数字の網の目からどうしてもこぼれ落ちてしまう、まったく新しい価値を見つける能力こそが、未来のリーダーシップの条件になるのか。究極のシステムの中で、人間の決断の価値はどこに残るのか。ぜひ、あなたなりの答えを探求してみてください。今回の深掘りはここまでです。一緒に考えていただき、ありがとうございました。

関連エピソード

Spotifyで聴く

Apple Podcastsで聴く

この活動を、一緒に続けませんか

EBPM新聞のPodcast・記事・文字起こしは、すべて無料で公開しています。広告も、有料会員制度もありません。「証拠に基づいて考える文化」を広めるこの活動は、EBPM・統計・メタ分析をモチーフにした公式グッズの収益で支えられています。

1枚のTシャツやステッカーが、次のエピソードの制作費になり、あなたの持ち物がEBPMの会話を始めるきっかけになります。

公式グッズで応援する

EBPM.jp

Evidence-Based Policy Makingを、読む・聞く・考えるための入口。外部ストア、note、Podcast配信先へのリンクを整理するメディアハブです。

Evidence-Based Policy Makingを、読む・聞く・考えるための入口。外部ストア、note、Podcast配信先へのリンクを整理するメディアハブです。

No login. No membership. No comments. No personal information collection in this draft.